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水中写真入門【2020年夏オススメのカメラ】

2020年夏にオススメする水中撮影システム

管理人の撮影システム(XZ1も持っているが兄弟に貸しているため手元にない)

ダイビングをしていく中で誰しもが一度は興味を抱く水中撮影。昔に比べれば防水カメラの進化によって手軽に撮影できるようになってきた分、年々新型が出たりとややこしい。
そこで、これからカメラを購入する方向け、カメラの買い替えを検討している方向けに価格と撮影シーンからのカメラ選びをまとめてみました。

値段で選ぶ水中撮影システム

1万円以下の水中カメラシステム

1万円以下の水中カメラだとGoProもどきのアクションカメラがハウジング付きで多種多様で存在する。
しかしながら、これらのカメラ撮影できる写真は、透明度の良い沖縄などを除いてはとても見れた写真にならないのでオススメしない。動画に関しても沖縄や陸上では、まずまずの画質程度でiPhoneのハウジングを買う方が何かと便利である。
このような格安水中カメラを買うよりは、その他のダイビングアクセサリーを充実させた方がダイビングライフが充実するだろう。
なので、ここではあえて1万円以下の水中撮影システムの紹介はしない。つい先日、自分も持っていた格安アクションカメラを友達にあげたくらい使い道がなかった。。。

メインで使用しているiPhoneを海中に持っていく勇気はないが、買い替えた後の旧型を持っていくのはちょうど良いですね。
ついでにお風呂でも安心して使えるようになるので一石二鳥なアイテムです。

1~5万円の水中撮影システム

この価格あたりからダイビングの水中カメラとして使えるカメラが少しずつ出てくる。
5万円以下の水中カメラで選ぶ場合のカメラシステムは基本的にハウジング無しで防水30m以上のものとなってくる。防水25m以下に関しては、水深が深いところでカメラを突然動かしたりで瞬間的に防水性能を超えてしまう可能性もあるためだ。
また経年劣化によって防水性能が少し落ちた場合も、性能値以下での浸水が怖い。
もしくは型落ちの中古でハウジングとカメラを揃えるという手もある。

Panasonic LUMIX DC FT7

防水性能31mと市販カメラの中では最強スペックの防水性能を誇る。水中モードもしっかりと搭載されているので青カブリの心配も少ない。
ダイビングで嬉しい機能として4K画質での30連射機能は、捕食シーンや産卵シーンなど決定的瞬間を撮影するのにピッタリだ。
さらに、フォーカスセレクト機能では、カメラが自動的に49ヵ所それぞれにピントを合わせた写真を連続撮影。撮影後、その中から良い場所にピントがあった写真を保存できるため、短い撮影タイムでも良い写真が撮影できる確率が高くなる。大瀬崎のミジンベニハゼなど順番待ちになりやすい被写体では嬉しい機能だろう。

Nikon  COOLPIX W300

こちらも防水性能30mという驚異の性能を誇る防水コンデジである。
そして面白い機能としてカメラ前面にライトもついているため、暗くなりやすい水中でもオートフォーカスが合わせやすくなるのも嬉しい。
またログ機能を活用することで、ダイビング中の水深移動が細かく記録されてどの水深でどのタイミングで撮影したかなどガイドが説明用に使っても面白い機能だ。このログ機能は公式サイトのイメージ写真が一番わかりやすい。
そして価格も3万円を切っていたりするので、入門用として買ってその後買い替えたときもサブ機として使いやすいだろう。

5~10万円の水中撮影システム

この価格帯は1択-OLYMPUS デジタルカメラ Tough TG-6

この価格帯の水中撮影システムとしては、十中八九、ほとんどのダイバーがオリンパスTGシリーズをオススメしてくるだろう。水中カメラシェアの圧倒的1位であり、マクロ撮影においては他の追随を許さない。もちろんカメラ本体も15m防水でハウジングからの浸水があっても故障することはほぼあり得ない。
他の水中カメラ比較サイトでは、同価格帯で他のカメラの紹介もあるが、カスタマイズパーツの豊富さも含めるとTG-6で良いじゃんという回答になってしまう。
私もXZ-1→TG-2→TG4と追いかけ続けきたカメラである。最新のTG-6ではTG-3から搭載された顕微鏡モードが水中顕微鏡モードに進化しており、ようやくTGシリーズ完成形とも言えるところまで来ている。
初心者からガイドまで愛用者も多いカメラでどのダイビングスポットでも水中写真アドバイスがもらいやすい点もオススメできる要素だ。
中古の型落ち品も多く出回っているため、中古で費用を抑えて購入することも可能である。

TGシリーズの撮影例
2020年2月22日撮影_サナダミズヒキガニ極小_TG4顕微鏡モードで撮影

極小生物の細部まで綺麗に撮影できるため、マクロ派のダイバーやウミウシ派の方には最適のカメラです。

2019年5月25日撮影_久米島のノコギリダイの群れ_TG-4水中ワイドモードで撮影

ワイド撮影も水中ワイドモードで十分綺麗に撮れる。外部ストロボ未使用だが明るい場所や浅場ならノンストロボで美しい海の青さを表現可能である。

2015年10月3日撮影_トガリモエビ_TG-2水中マクロモードで撮影

そしてTGシリーズで最も多用する水中マクロモードはTG-2の頃から十分に完成されている。顕微鏡モード不要な方はTG-2以下の型落ちを選ぶことで超安く高クオリティの水中撮影が可能だ。

10万円~の水中カメラシステム

10万円以上の撮影システムになってくるとミラーレスや一眼のカメラも視野に入ってくるが、外部ストロボ必須となり値段が跳ね上がる。

ミラーレスや一眼カメラの水中撮影システムには何が必要?

私もミラーレスを揃えるときに必要なものなどを調べるときに苦労したので簡単に理由と表にまとめてみました。

必要なもの 必要数 理由
カメラ本体 1~2台 このレベルになると撮影システム揃えなおしが気軽にできないため、初めから予備を買うことも多い。
レンズ 2本以上 一眼カメラを購入する一番のメリットはレンズ交換による表現の多彩さである。1本のレンズで撮るならTGシリーズで良い。※私は2本(レンズは型式がややこしく購入ミスにも注意)
ハウジング 1~2台 純正がなかったり、純正も生産数が限られているためカメラ本体以上に予備が重要。
ストロボ 1~?灯 外部ストロボに関しては2灯が標準構成だが、4灯以上のイカツイ水中撮影システムも見かける。
光ファイバーケーブル 必要数 内臓ストロボのフラッシュで外部ストロボを作動させるためにストロボと同数必要。
撮影ライト 0~2灯 外部ストロボにターゲットライトがついているため、必ずしも必要ではない。しかしながら撮影機材を持つと両手が空かないことが多くカメラにサーチライト兼ターゲットライトを取り付けた方が望ましい。
ハンドル 1台 コンデジと違い撮影機材がかさばるようになるため、ハウジングに取り付けるハンドルは必須。
クランプ 必要数 ハンドルとアーム、またはストロボやライトホルダーを接続するために必要。
アーム 必要数 ストロボの角度調整の自由度をあげるために必要。またライト用でライトアームとして使用したりもする。
ライトホルダー 必要数 ライトを固定するために必要。※自作も可能だがオススメしない。
ロープ 50cm 陸上での持ち運びやすさUPのためハンドルの両端と結んで使用する。※ホームセンターで買おう。
ホース 50cm 上のロープの保護用でロープの径に合わせたものを使用する。※ホームセンターで買おう。

ざっと12種類は最低でも必要なものがあり、それぞれのパーツで適切なものを選んでいかなければならないので、初めての購入はかなり苦労する。
特に、元々陸上で一眼カメラを使用していないなどの場合はなおさらである。レンズの知識、F値、絞り、シャッター速度にROW現像、あらゆる角度から撮影システムをゴールを描かなければならないからだ。
今回は入門記事なのでこれぐらいにしておいて、一眼の撮影システムについては別記事でまとめる。

撮影シーンでカメラを選ぶ【ワイド撮影、動画】

価格でのオススメなカメラを3機種紹介したが、どれも水中での写真、フォト要素でのオススメだ。
最近はyoutubeやインスタ需要でムービー要素の需要も強い。そこでワイド撮影とムービーの観点からのオススメカメラもまとめてみました。

ワイド撮影向けカメラ

OLYMPUS XZシリーズのすゝめ

マクロの定評のあるOLYMPUSのTGシリーズを上で紹介しましたが、OLYMPUSにはワイドに強いTG系統余は対照的なダイビング向けカメラもありました(過去形)。ありましたという過去形の通り、残念ながらTGと同時期くらい出ていたXZシリーズはXZ-2が最終機となってしまっっている。

しかしながらのこのXZシリーズ、当時は防水プロテクター込みで10万円近かったのですが、今なら中古でプロテクター仕入れられさえすれば、本体も1万円前後でかなり出回っておりかなりお安く綺麗なワイド撮影が可能となる。
また中古の防水プロテクターも1万円前後で見つけられるので、上手く合わせて購入することで2万円以下でTG6よりも明るいF値1.8での水中撮影が楽しめてしまう(私が確認した時点でAmazon、カメラのキタムラ、メルカリとあらゆるところでお安く流通している)。
ある意味ねらい目カメラであると言えよう。後継機のXZ-2の防水プロテクターはリコール問題を抱えているため、中古のハウジングを仕入れるときには、リコール対応品か確認してからにしよう。詳細は下記を参照。

個人的にはリコール問題とコスパの両方からXZ1をオススメする。

2014年2月25日撮影_石垣島ワイド写真_XZ-1の水中ワイドモードで撮影

この時はまだダイビング初めて2年、カメラは初めて1年くらいである私が何も考えずシャッターを切るだけでそこそこ綺麗なワイド写真が撮れている。

実際ミラーレスを購入するまでは、水中ワイドに関してTGよりもXZで撮影するため2台持ってエントリーすることもあったくらい水中向けのコンデジとしては名機だと思います。
しかしながら、XZ-1、XZ-2ともに本体は防水ではないため、要注意だ。この写真を撮影した次のダイブでハウジングに髪の毛1本挟んでしまい私は水没させました(悲しい記憶)。

SONY  Cyber-shot DSC-RX100M5A もF値1.8の明るいレンズ

コンデジの中でXZシリーズと対抗できる水中ワイド撮影向きカメラというとこれくらいしか思いつかない。
私も最後までミラーレスを買うか、迷った機種でもある。
高速連射機能や画素数も高級コンデジならでは一眼やミラーレスに迫るスペックのため、コンパクトに高画質な水中写真をやりたい方にはオススメできる。
純正、サードパーティーのいずれも安価なハウジングがあるものの、本体未防水で価格がミラーレスより高いという点でコストパフォーマンスがそこまで高いわけでもない。
機動性と画質の両方重視でない限りは、TG-6とXZ-1の両持ちで撮影シーン、ダイビングポイントやダイビングコースごとでの使い分けをオススメする。ちなみTGとXZでマクロとワイドの使い分けに慣れておくと、その後一眼やミラーレスに乗り換えた際にのダイビング毎、被写体毎のレンズ選びなどが分かりやすいはずだ。

Canon コンパクトデジタルカメラ PowerShot G7 X Mark IIもF値1.8の明るいレンズ

ムービー最強はやっぱりGoProか

水中写真なんて古い、これからは動画の時代だという方向けにムービー、動画撮影目的でのカメラオススメをここでまとめます。

OLYMPUS アクションカメラ STYLUS TG-Tracker

カタログスペックとコスパだけで言えば、ここでもオリンパス機種をオススメしたいところだが割と水没報告が多い機種でもある。水中撮影で圧倒的なシェアを誇るTGシリーズのアクションカメラとして期待感も多かったカメラだが、発売当初は海で結構見かけたが最近はあまり見かけない。中古で安く出回っていたら買っても良いかな程度のオススメである。

GoPro HERO 8 or HERO 7

GoProを選ぶ際には、シリーズのナンバリングとカラーが色々あって難しい。
まずはダイビングの水中映像用で選ぶための特徴をシンプルな表にしてみました。

機種 特徴
GoPro HERO 8 BLACK HERO 7 BLACKより少し手ブレと暗所補正パワーアップ
GoPro HERO 7 BLACK 4K60fpsの高画質撮影可能、フォト撮影機能も強い
GoPro HERO 7 Silver 4K30fpsの高画質撮影可能、コスパで選ぶならこれ
GoPro HERO 7 White 最廉価版でFullHD画質60fps、インフルエンサー目的でなければこれでOK

Youtubeなんかで比較動画を比べてみても、8の追加機能がダイビング中にあまり関係ないものが多く、手ブレ補正はダイビングスキルで、暗所補正は差額分で撮影ライト買った方が絶対に良いですね。妥協を許さない、最高パフォーマンスを目指す人以外は、GoPro HERO 7 BLACKが最適でしょう。
そもそも4Kで撮っても、再生端末はFullHDでしか見れないことがほとんどであることを考えると動画オンリーや、動画編集も含めると最廉価版でも良いかもしれませんね。
4K映像の編集するのに要求されるPCスペックが高すぎるので、4K撮影がオーバースペックとなる可能性があります。

最近のGoPro HEROはすべて本体防水10mが標準機能ですが、ダイビング使用時はハウジング必須。
純正以外のハウジングも多数あるので、本体防水に甘えてハウジングは純正以外で安く済ませるのもありですね。

360度カメラについて

RICOH THETA V

GoProにも360度撮影できるモデルがありますが、水中でのピントが合いづらいという欠点が目立つ。
360度撮影においてはリコーのシータが純正ハウジングもあってオススメです。
シータに関しては連続撮影時間の制限があり、一番安いSCシリーズは連続撮影3分と実用しづらいスペックなので要注意
Vシリーズとその一つ下位スペックのSシリーズは両方とも連続撮影時間25分なので1ダイビングを2回撮影くらいで足りますね。

リコーの純正ハウジングは2万ほどで少し高いのが残念ですが、純正以外にもハウジングはあったりもします。
しかしながら、シータは本体防水性能がないため純正以外を使用するのは少々怖いところです。
本家インスタから発売のInsta360

インスタ映えの本家インスタグラムから実はアクションカメラが発売されています。
GoProは年々進化して完成されきたアクションカメラですが、こちらは新進気鋭のカメラ。
ただし、使用者のレビューを見るとまだまだ課題も多そうなカメラです。特に最短撮影距離が長いというのは、撮影ケースが限定されてしまいますね。
本体防水性能5mというのもダイビング向けではあります。

ダイビング使用を想定した純正ハウジングも出ていますが何故か純正は360度撮影用ではないので要注意
360度撮影する場合は、サードパーティー制の360度用ハウジングで対応可能です。
まだまだ発展途上の360度カメラ

360度撮影は陸上でもまだ発展途上、条件が過酷な水中撮影においては、これからの進化に期待したいところです。
仮に今買うとすればリコーのシータが無難でしょう。

まとめ

ダイビング歴8年ダイブ本数600本、年間の9割がセルフダイビングな管理人が水中カメラ選びをまとめてみました。
オリンパスがつい先日カメラ事業を売却してしまったことは非常に残念ですが、しばらくは水中カメラの入門機はTGシリーズとGoProの2強が続きそうです。
そして水中撮影というのは非常にニッチで特殊な分野のため、新機種=水中撮影の進化ではないという点が難しいところです。

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